書評「ピーターの法則」階層社会は無能社会?有能になる4つの方法

会社や、政治の世界、学校教育など、この世の中には階層社会が数多く存在します。

出世をしたり昇進をすれば、給料も上がっていくし、権限も増えていくので、階層社会に属する人は、出世を目指していくでしょう。

しかしながら、階層社会学者のローレンス・J・ピーター氏によると、階層社会はあるものを生み出します。それは「無能」な人々です。

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ピーターの法則を読んだ方が良い人

ピーターの法則は下記のような人にオススメです!

  • 今の世の中は無能な人が多いと思っている方
  • 自分の力が通用しないなと思われる方
  • 無能で終わらせたくない方

階層社会の意思決定は間違いが多い

このピーターの法則によると、階層社会は出世があるから、無能な人がトップに立つと言っています。つまり、会社・政治・学校教育など、階層社会が存在するところのトップの層は、無能な人が蔓延っている。

その無能な人々が意思決定をして、何かを決めていくことになると無能な決定をされてしまい、無能なものが世の中に溢れ、有能な人がどんどん無能になっていくのだと言います。

東証一部上場企業が軒並み赤字決算を発表している?

東芝が連結最終赤字が7100億円になる見込みだと発表したり

シャープは247億円の赤字を計上したり

キリンは15年12月期の連結業績予想を大幅に下方修正してます。560億円の最終損失を計上する見通しで、1949年の上場以来、初の最終赤字を発表する見通しだそうです。

この背景には、ピーターの法則が働いている可能性もあります。

無能だからといって、馬鹿にしている訳ではないです。

自分達がこう言った無能になるメカニズムに影響を受けているということを知ることで、逆に、無能ではなく有能な人材として生きていくにはということを学ぶことが出来ます。

階層社会では無能が蔓延る

前述した通り、階層社会では出世をすればするほど、無能な人が多くなります。

出世というのは、平社員や課長や部長と、その階級で有能さを発揮できる人から出世をして行きますよね?

出世は有能だから次の階級に行くと考えますと、有能だと見られないところまで出世するのです。つまり、自分が有能さを発揮できない肩書きまでしか、階層社会では出世が出来ないのです。

有能さを発揮できていた地位から無能ぶりを露呈することになる地位へと昇進させられている。

引用:ピーターの法則

例:営業が得意なプレイヤー型に生じるピーターの法則とは?

例えば、営業が得意なプレイヤー型の営業マンで、成績をガンガン上げている人がいたとします。

その人は、数字を挙げられるので「仕事ができる」と判断されます。有能だと判断されるわけですよね。

そして、昇進を打診され、マネージャー職になります。

しかしながら、マネージャー職に必要なことは、営業力ではなく、人間の機微を感じ取ったり、人を管理したりする能力なので、今まで彼を有能だと見なしていた、プレイヤー型の能力とは、全く別の能力が必要になります。

もし彼が、そのような能力を持ち合わせていなかったら、無能ということで、出世は止まるでしょう。

しかしながら、マネジメント能力でも有能さを発揮できれば、再び昇進をします。

今度は取締役など、意思決定力という営業力やマネジメント力とはまた違った能力が必要な立場になります。

今まで、マネージャーとしてもプレイヤーとしても有能だと見なされた彼ですが、意思決定力について、無能だと認定されれば、そこで出世は止まります。

また、意思決定力で有能だとしても、社長の席は一つしかないので、社長から煙たがられたり、階層社会の決まりを守らなければ、有能であってもその階層社会には入れず、外に出されてしまうでしょう。

ざっくりと説明しましたが、このように、階層社会では無能な人が残る傾向にあるというのが、ピーターの法則です。

無能レベルに陥った者が労働を続けることは、会社を倒産させたり、政府を転覆させたり、あるいは文明社会を未開時代に逆戻りさせたりする危険と背中合わせなのです。

引用:ピーターの法則

今回の東証一部の赤字計上はピーターの法則?

今回の様々の赤字計上というのは、もしかしたら、このようなピーターの法則が働いていたのかもしれません。

何故なら、それまでは日本国内の内需だけを気にしていれば良かったのですが、今後は海外との関係性や、新たなるテクノロジーなど新しいものについていく必要があります。

しかしながら、昇進を促すのは、すでに昇進している上司であり、その上司は無能である可能性があります。

だから、無能な人が、昇進を決定する人材というのは、多くの場合無能であるケースが多いと言えます。

無能にならないための4つの対策とは?

この本の中で、ピーター氏は4つの対策を述べています。

  • ピーターの予防薬:無能レベルへの昇進を回避する方法
  • ピーターの痛み止め:無能レベルに達した人が生きながらえて健康と幸福を維持する方法
  • ピーターの気休め薬:終点到達症候群の症状を抑える方法
  • ピーターの処方箋:世界に蔓延する病を治療する方法

引用:ピーターの法則

それぞれ、説明していきたいと思います。

ピーターの予防薬 – 無能レベルへの昇進を回避するには?

無能レベルへの昇進を回避する為に必要な要素は2つあります。マイナス思考と創造的無能だそうです。

マイナス思考 – 自分が出世するデメリットを考えるって?

まず一つ目がマイナス思考です

マイナス思考とは、例えば、もしも自分が出世や昇進をしてしまったら?と自問自答して、デメリットを考えてみることです。

健康面で問題が出ることがわかるかもしれませんし、時間の融通が利かなくなってしまうといったことで、無理が生じてしまう可能性がありますよね。

このように、マイナス思考を持つことにより、自分の人生は立派に充足していることと、今の立場でも十分に満足いくようなものだと分かるので。

昇進することがなくなるため、無能になることがなくなるというのです。

「自分は今の上司の更に上司に仕えて仕事をする気があるのか」こういう風に自問自答することにより、予防効果があるといいます。

創造的無能 – わざと無能だと思わせる?

また、二つ目には創造的無能を活用するということが言えます。

これは、無能であると周りに思い込ませることで、出世の打診が来ないようにするということです。

例えば、どこかが抜けているとか、彼を出世させることができないようねと周り思わせるような部分の欠落を意図的に創り出します。

そういう風に思わせることにより、昇進の打診が来なくなり、有能性をいつまでも発揮でいるので、健康的で精神も充実した生活を過ごせるのです。

ピーターの痛み止め -人畜無害で無能を生きるには?

予防薬を服用する前に、無能のレベルまで到達してしまった人々に対して、できることは何か?

それは、人畜無害のレベルで、心安らぐ状態で余生を過ごせるように緩和する方法があるとのことです。

教育の地盤沈下を止める – 出来ない人を配置換えする?

これはできない人を無理に出世させたりするのではなく(年功序列だと、皆さん大体主任にはなりますよね)、水平異動を用いることが重要だというのです。

いわゆる配置換えです。

配置換えを行うことにより、優秀な指導者と巡り会えたり、自分の特性に合ったことを見つけるようになり、習熟度が上がり、運が良ければ、無能レベルから有能レベルに戻ることができると良います。

Googleも配置換えは行なっている?

Googleの人事の書いた本、Work Rulesという本の中にも、本当にパフォーマンスが低い人は、まず配置換えなどで、やっていることを変えてみて特性が出てくるのかを試します。

それでもパフォーマンスが上がらない場合は、転職を薦め、彼が成果が出せる転職先も紹介するという旨の記述もありました。

Work Rulesについてのまとめは下記を参照ください。

書評「ワーク・ルールズ!(Work Rules!)」チームの生産性を高める為にGoogleが実践している10のコトとは?
チームの生産性がなかなか上がらないと思った時に、あなたなら何をしますか? 会社の部署のリーダーや、何かを始めようとする起業家、サークル...

このように、パフォーマンスが上がらない人は、年功序列の制度で強制的に出世をさせるのではなく、配置換えを検討してみると良いということです。

ピーターの気休め薬 -終点到達症候群を抑える?

無能レベルに達していて、配置換えも上手くいかない状態の中で、更なる悪化を防ぐために必要なことが、この気休め薬だそうです。

労働の尊厳(素晴らしさ)を語る – 無能だけど労働は良いこと?

無能レベルに陥った人は、実績が上がらりません。そういう無能レベルに陥った人に対して、もっと成績を上げようとテコ入れするのを辞めて、労働の尊厳を雄弁に話しすことが効果的だそうです。

こうすることにより、自分の実績が上がらないことについて考えさせないようにするとのことです。

直視するときついかもしれないですが、そもそもやっていることが尊いということを教えることにより、苦しむことはなく、痛み止めが効いてくるまで継続することが可能になります。

ピーター氏も著書の中で気休め薬については下記のように述べています。

このような気休め薬の服用者たちは、社会にたいした益ももたらしませんが、少なくとも人畜無害で、それぞれの道の有能な人間たちの仕事を邪魔することもありません。ピーターの気休め薬は、職業の世界が機能停止することを未然に防ぎます。

引用:ピーターの法則

ピーターの処方薬 – 無能に到達するのを避けること?

ピーターの処方薬は、先述した予防薬・痛み止め・気休め薬を行うことです。

こうすることで、無能な人間に邪魔されることなく、生産的に活動できる有能な人間が増えることにより、人々が生活の質を向上させることが出来ます。

処方薬について、具体的にこうしろという話は記述はないですが、我々が無能に到達することを防ぐことで、生活の質を向上させることを通じ、処方薬を作ることができると記述しております。

つまり、昇進ではなく、自分の有能性に着目して、生活の質の向上を目指すことにより、人々により便利なものを提供できるようになること。それを通じて、更に生活の質の向上を目指していくことが、処方薬ということなのでしょう。

まとめ:階層社会では、生活の質の向上は不可能?

ここからは、個人的な感想で恐縮ですが、階層社会にいてしまったら生活の質の向上を目指すことは難しいと思いました。その理由を簡単に説明します

無能な人の意思決定では生活が豊かにならない?

先ほども述べた通り、会社や政治という階層社会のトップというものは無能な人が多いです。

この結果、民主主義的な意思決定の方法である多数決の場合は、無能な人意思決定を下すことにより、無能な方向性に流れやすいです。

人々が、この法則を理解して、生活の質の向上を目指すという理念のもとに集まれば別ですが、そもそも無能な人は、理念よりも出世や昇進を意識している人が多いので、全員が同じ方向を向くという点は不可能です。

故に、階層社会では、真に生活の質を向上するものが作り出せないと思います。

無能な人が邪魔をするので生活の質を向上するモノが作れない

また、この本の中で、階層社会の下の階層の人(現場に近い人)は有能な人が多い(出世の余地があるので)と述べられておりました。

有能な人が、現場の声を吸い上げて、生活の質の向上に役立つものを企画したとしても、無能な人がそれを行うかどうかを意思決定する時に無能な判断が行われてしまう可能性が高く、生活の質の向上をすることができなくなると言えなくもないです。

結局のところ、有能な人が本当に生活の質を向上しようと考えたら、階層社会から離れて、自分たちで何かを行っていく必要がある

今の20代の優秀な人たちは、階層社会に支配されていない起業を考えたり、NPOを立ち上げたりしているのでしょう。

ただし、こう言う人達も組織が大きくなれば、階層社会が形成される可能性があるので、ピーターの法則を理解しておくといいかもしれません。

最後まで、読んでいただきありがとうございました!
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